2020.4.1施行の民事法改正
2020/04/17本年4月1日はちょっとした改正ラッシュです。
民事法関係は下記のとおりです(法務省の説明サイトへのリンク)。
<民法>
民法の一部を改正する法律(債権法改正)について
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
民法等の一部を改正する法律(特別養子関係)について
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本年4月1日はちょっとした改正ラッシュです。
民事法関係は下記のとおりです(法務省の説明サイトへのリンク)。
<民法>
民法の一部を改正する法律(債権法改正)について
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
民法等の一部を改正する法律(特別養子関係)について
テレビ電話方式による定款認証は、公証役場に行かなくてよいというメリットがありましたが、発起人が電子証明書を持っている必要があったためなかなか利用が進みませんでした。
委任状及び印鑑証明書が郵送されており、テレビ電話等を利用する時点で原本確認が可能な場合にも、テレビ電話等の利用を可能にするという改正省令が令和2年7月6日施行予定とされていましたが、前倒しで令和2年5月11日から施行されることになりました。
電子定款だけでなく、電子私署証書の場合でも利用可能です。
(情報元)
日司連専発第11号
令和2年(2020年)4月9日
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その後法務省からもリリースが出ました。
定款認証を含む電磁的記録の認証手続について,より広くテレビ電話等を利用して行うことが可能となりました
不動産登記規則が改正され、3月30日から、会社法人等番号を提供した場合は、印鑑証明書の添付が不要になります。
また、会社法人等番号の提供を要しない場合において提供される登記事項証明書は、作成後1月以内のものでなければならないと定められているところ、作成後3月以内のものでよくなります。
例え印鑑証明書の添付が不要となっても、司法書士等が代理申請する場合は印影を確認する必要がありますので、自分で登記する場合以外は、印鑑証明書が必要なことに変更はないと思われます。
令和2年3月17日より、完全オンライン申請による株式会社と合同会社の設立登記につき、24時間以内に終わらせる試みが始まります。
完全オンラインなんて何人使うかわかりませんが、日本でも会社設立は24時間でできる仕組みになってますよと(完全オンラインだけですが)、何が何でもアピール(海外に?)したいのでしょうか。
合同会社はよいとして、株式会社は払込証明書に会社実印(法務局に登録予定の印鑑)を押さないといけませんが、このあたりもマイナンバーカードの電子署名でいいよという通達でも出るのでしょうか。
なお、会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和元年法律第71号)による商業登記法(昭和38年法律第125号)第20条等の規定を削除する改正(印鑑提出の任意化)の施行前においては、印鑑届書が提出されるまで登記が完了しません。
今まで法務局が発行する電子証明書は登記事項に少しでも変更があると失効していたため、長期間有効な証明書を発行することにはリスクがありました。
2020年3月9日から、電子証明書を申請している代表者に実質的変更がなければ、変更登記をして一度失効したとしても、残存期間の電子証明書を無料で再発行してもらえることになりました。
※氏名の変更で失効した場合は同一人とみなして再発行OKのようです。
※3月9日より前に失効した場合でも、3月9日以降も(変更がなければ)有効な電子証明書であれば、再発行可能のようです。
同時に、電子証明書の発行の請求・使用の廃止の届出・使用再開の届出・識別符号の変更の届出における印鑑カードの提示・送付を不要とする改正も予定されています。
やや唐突な印象を受けるのですが、2020年1月14日から標題の改正があります。
1) QRコード(二次元バーコード)付き書面申請
電子証明書を持っていない方(個人・法人)でも、法務省の申請用総合ソフトを利用することで、QRコード付き書面申請ができます。メリットとしては、進捗がオンラインで確認できたり、完了時等に通知メールがもらえるなど。
電子証明書で署名するタイプのオンライン申請でも、結局添付書類を法務局に送るか持ち込むかするので、申請工程は似たような感じになりますね。ただ、資格者が代理人として申請する場合に使うと、資格者かどうか電子証明書で判別できないので、どうなんだろうという気もします(欄外に職印を押せばよいのでしょうが)。
2) 登記事項証明書(不動産登記)の様式変更
不動産登記の登記事項証明書に、物件を特定するための情報としてQRコードが付くようになります。
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2020/1/16追記
法務局から詳細のリリースが出ました(下記)。
供託規則第33条第1項が改正され、供託金利息の利率が年0.024パーセントから年0.0012パーセントに変更されます。
一気に20分の1になりますが、もうどうでもいいレベルのような・・・
(法務省のリリース)
供託規則の一部改正について(令和元年10月1日施行分)
もう何度目かわかりませんが、2019年10月から登記情報提供サービスの利用料金が値下げされます。
(元リリースの魚拓)
全部事項(不動産・商業法人)情報 335円→334円(333円)
所有者事項情報 145円→144円(143円)
動産・債権譲渡登記事項概要ファイル情報 145円→144円(143円)
地図情報・図面情報 365円→364円(363円)
※括弧内の料金は、消費税不課税対象者(利用者の住所等が国内の地域外にある場合に、消費税の課税対象外となり消費税が課されない方)の利用料金です。
また細かく刻んできましたね。
令和元年(2019)10月1日より、商業登記申請書類の保存期間延長(現行の5年から10年に)が予定されております。
具体的には、商業登記規則(昭和39年法務省令第23号)第34条第4項第3号及び第4号を改正し、受付帳及び申請書類の保存期間を10年間とします。
さすがに5年は短かったので、少し便利になりますね。
先般公布された民法改正(相続関係)の一部でありました配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設に関する施行日は、2020年4月1日となりました。