‘2015/08’ カテゴリーのアーカイブ

特定支配株主の株式等売渡請求(H27.5.1-)

2015/08/17

大企業で少数株主を排除したいときは、従来は主に全部取得条項付種類株式を使う方法が採用されていましたが、費用も手間もかかるため、中小企業ではなかなか使いづらいものでした。

社歴のある中小企業のなかには、株が分散してしまった結果、誰が株主かわからないといった問題や、少数の敵対的株主がいるため重要な決定ができなくなっているという問題を抱えている会社が結構あります。

具体的には、9割の支配権を有している株主(及びその100%子会社)は、他の株主に対し、株式の売渡請求をすることができます。

従来のように全部取得条項付種類株式や株式併合を使う方法では、端数処理に関して裁判所の任意売却等の手続きが必要であり、株価評価等で多額の費用がかかりましたが、これが不要になるのがメリットです。

社外役員と責任限定契約に関する改正(H27.5.1-)

2015/08/17

このブログを運用しているWordpressの不調で投稿ができない状態だったのですが、応急処置的な対策をして一応投稿等できる状態になりましたので、ブログを再開したいと思います。

本論点における改正の柱は2点あります。

1)社外役員の定義(新2条15号、16号)

今までは、当該株式会社又はその子会社の業務執行役員・使用人等に、過去一度もなったことがない者というのが要件でしたが、この過去要件については、過去10年間に緩和されました。

また、当該会社・子会社だけでは関係者かどうか適切に判定できないため、親会社要件・近親者要件が追加され、親会社の取締役等や、当該会社・親会社等の役員等の配偶者や2親等内の親族も社外役員になることができなくなりました。簡略化して説明していますので、詳しくは条文をご確認ください。

2)責任限定契約の対象が拡大(427条)

従来は、社外役員について、責任限定契約を締結することができましたが、この対象が、非業務執行取締役・監査役等へ拡大されました。社外かよりも業務に関わっているかに基準が変わっています。

社外役員の責任限定契約について定款規定を置いていた会社は、そのまま維持することもできますし、現行法にあわせ非業務執行取締役等についての責任限定規定へ改定することもできます。社外役員は非業務執行役員に含まれ、なおかつ範囲が狭いので、責任限定契約締結の対象者をあえて社外役員に限定したいのであれば、それで構わないということです。