‘商業登記’ カテゴリーのアーカイブ

QRコード付き書面申請の開始と登記事項証明書(不動産登記)の様式変更(2020.1.14-)

2019/12/02

やや唐突な印象を受けるのですが、2020年1月14日から標題の改正があります。

1) QRコード(二次元バーコード)付き書面申請

電子証明書を持っていない方(個人・法人)でも、法務省の申請用総合ソフトを利用することで、QRコード付き書面申請ができます。メリットとしては、進捗がオンラインで確認できたり、完了時等に通知メールがもらえるなど。

電子証明書で署名するタイプのオンライン申請でも、結局添付書類を法務局に送るか持ち込むかするので、申請工程は似たような感じになりますね。ただ、資格者が代理人として申請する場合に使うと、資格者かどうか電子証明書で判別できないので、どうなんだろうという気もします(欄外に職印を押せばよいのでしょうが)。

2) 登記事項証明書(不動産登記)の様式変更

不動産登記の登記事項証明書に、物件を特定するための情報としてQRコードが付くようになります。

法務省のリリース

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2020/1/16追記
法務局から詳細のリリースが出ました(下記)。

QRコード(二次元バーコード)付き書面申請の開始と登記事項証明書(商業・法人登記)の様式変更について

QRコード(二次元バーコード)付き書面申請の開始と登記事項証明書(不動産登記)の様式変更について

商業登記申請書類の保存期間延長(R1(2019).10.1-)

2019/07/22

令和元年(2019)10月1日より、商業登記申請書類の保存期間延長(現行の5年から10年に)が予定されております。

具体的には、商業登記規則(昭和39年法務省令第23号)第34条第4項第3号及び第4号を改正し、受付帳及び申請書類の保存期間を10年間とします。

さすがに5年は短かったので、少し便利になりますね。

パブコメ画面

設立登記が原則3日以内に終わるようになります(H30.3.12-)

2018/02/15

「『登記・法人設立等関係手続の簡素化・迅速化に向けたアクションプラン』に基づ
く会社の設立登記の優先処理について」という通達が出ています〔平成30年2月8日付法務省民商第19号〕。

平成30年3月12日より、株式会社と合同会社の設立登記は、補正等がない限り原則3日以内に完了させ、登記申請の多い時期(4,6,7月)についても、できる限り頑張るということだそうです。

早くなるのはよいことですが、他の登記にしわ寄せが来たりするんでしょうか。

商業・法人登記申請書に法人名のフリガナ欄を追加(H30.3.12-)

2018/02/01

平成30年3月12日より、商業・法人登記申請をする際に商号・名称のフリガナも併せて書き添えることになります。

(法務省)商業・法人登記申請書に法人名のフリガナ欄を追加します

そして、そのフリガナ情報が平成30年4月2日以降順次、国税庁の法人番号公表サイトで公開されます。

フリガナは、法人の種類を表す部分(「株式会社」、「一般社団法人」など)を除いて、片仮名で、スペースを空けずに詰めて記載します。

商業・法人登記申請の機会がない場合には、フリガナに関する申出書(※)を管轄の法務局に提出して、フリガナを登録することもできます(手数料はかかりません。)。
※ 申出書には、法人の代表者が管轄法務局に提出している印鑑を押します。

外国会社の場合は、税務署に提出した届出書等に記載したフリガナが公表されます。

オンライン申請の場合については触れられていないのですが、その他事項欄にでも記載するのでしょうかね。

「株主リスト」が登記の添付書面に(H28.10.1-)

2016/07/21

既に通達(商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(通達)〔平成28年6月23日付法務省民商第98号〕・商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(依命通知)〔平成28年6月23日付法務省民商第99号〕)等で案内がされているところでありますが、平成28年10月1日から株主総会決議や株主の同意が必要となる登記で株主リストの添付が必要となります。

今回、株主リストのひな型等が法務省から公開されました(こちら)。

対象は株式会社・投資法人・特定目的会社です。元々マネロン対策的な意味合いがあるようなので、お金が大きく動きそうな法人限定なんでしょうかね?
合同会社やNPO法人、各種社団・財団法人等は添付不要です。

商業登記の申請書に添付する外国人の署名証明書について

2016/07/01

平成28年6月28日以降、商業登記の申請書に添付する外国人の署名証明書については、当該外国人が居住する国等に所在する当該外国人の本国官憲が作成したものでも差し支えないこととされました。

法務省のリリースはこちら

従来は、本人確認証明書としては認められていましたが、印鑑証明書の代わりとしては、本国or日本の官憲が作成した証明書(本国以外の居住国はNG)だけでした。法務局によってばらつきもあったと思いますので、統一したということでしょうか。

例えば、香港に住んでいる英国籍の方が日本で会社を設立するために署名証明書を作成する場合、今までは、英国に行って英国で作成するか、日本に来て日本の英国大使館で作成する必要がありました(従来は香港の英国大使館はNG。今回の変更でOKになります。但し、上申書が必要)。

2016/7/4補足:やむを得ない事情があれば日本の公証人の証明もOKになっています(下記追記もご覧ください)。

今回の解釈変更により、多少実務がスムーズになることと思います。

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2016/7/4追記
「登記の申請書に押印すべき者が外国人であり,その者の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付することができない場合等の取扱いについて(通達)」(平成28年6月28日法務省民商第100号民事局長通達)が発出されているので通達を確認しました。

本国官憲(日本における権限がある官憲含む)の認証が受けられない場合は、本人の上申書(当該外国人の本国の法制上の理由等の真にやむを得ない事情から、当該署名が本人のものであることの本国官憲の作成した証明書を取得することができない理由を説明)+(居住地の官憲or日本の公証人の証明)があれば、印鑑証明書の代わりに使えるとのこと。

登記・供託インフォメーションサービス終了(-H28.2.29)

2016/02/09

長年登記の関するFAQや書式などを掲載してきた登記・供託インフォメーションサービスが平成28年2月29日(月)午後6時をもって終了することになりました(リリース)。

掲載されていた情報自体は法務局のサイトで引き続き掲載されますので、不便はないと思われます。

考えてみれば登記に関する情報があちこちに散ってわかりにくくなっていましたし、管理も手間だったのでしょう。

昔から参考にしてきた者としては一つの時代の終わりを感じます。

商業・法人登記に関する登記事項証明書の様式変更及び登記申請時の登記事項証明書の添付省略(H27.10.5-)

2015/09/24

(1)マイナンバーがらみで登記簿の記載事項の変更と、(2)登記簿のオンライン化がらみで昔から提案としてあがっていた登記事項証明書の添付省略について改正があります。

まず1番目として、法務省のリリースによると「会社法人等番号が登記簿に記録されることとなり、登記事項証明書の様式が変更されます。」とありますが、今の登記簿(登記事項証明書)にも会社法人等番号が記載されています。記載例によると、これが罫線の枠内(商号の上)に記載されるようになります(ちなみに、マイナンバー制度で法人に指定される法人番号(13桁)は、登記簿に記載された会社法人等番号(12桁)の前に1桁の数字を足したものです)。

2番目は、登記の際に登記事項証明書の添付が要求されているケースで、会社法人等番号を記載することにより登記事項証明書の添付省略ができるようになります。

添付省略できるとは言っても、司法書士の立場としては内容を確認しなくてはなりませんので、登記の際には少なくとも最近の登記事項証明書のコピーは拝見したいところですし、不動産登記なら原本も確認したいので悩ましい改正です。

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2015/10/7追記
※支店・従たる事務所の登記記録については、従来どおりの付番方法が行われていましたが、平成27年10月5日から、支店・従たる事務所の登記記録については、会社法人等番号が付されないこととなり、会社法人等番号に代わって管理番号が付されることとなりました。

社外役員と責任限定契約に関する改正(H27.5.1-)

2015/08/17

このブログを運用しているWordpressの不調で投稿ができない状態だったのですが、応急処置的な対策をして一応投稿等できる状態になりましたので、ブログを再開したいと思います。

本論点における改正の柱は2点あります。

1)社外役員の定義(新2条15号、16号)

今までは、当該株式会社又はその子会社の業務執行役員・使用人等に、過去一度もなったことがない者というのが要件でしたが、この過去要件については、過去10年間に緩和されました。

また、当該会社・子会社だけでは関係者かどうか適切に判定できないため、親会社要件・近親者要件が追加され、親会社の取締役等や、当該会社・親会社等の役員等の配偶者や2親等内の親族も社外役員になることができなくなりました。簡略化して説明していますので、詳しくは条文をご確認ください。

2)責任限定契約の対象が拡大(427条)

従来は、社外役員について、責任限定契約を締結することができましたが、この対象が、非業務執行取締役・監査役等へ拡大されました。社外かよりも業務に関わっているかに基準が変わっています。

社外役員の責任限定契約について定款規定を置いていた会社は、そのまま維持することもできますし、現行法にあわせ非業務執行取締役等についての責任限定規定へ改定することもできます。社外役員は非業務執行役員に含まれ、なおかつ範囲が狭いので、責任限定契約締結の対象者をあえて社外役員に限定したいのであれば、それで構わないということです。

会計限定監査役であることが登記事項になりました(H27.5.1-)

2015/04/13

平成27年5月1日から、いくつか会社法及び関連登記の改正が予定されていますが、中小企業に関連する部分について、こちらのブログでも紹介していきます。

株式会社の監査役については、監査範囲が会計に限定されている監査役と、業務監査も含め監査する監査役の2種類あります。

会社法施行以前は、資本金1億円未満の会社であれば会計限定監査役と決まっていて、会社法施行後もその状態は引き継がれているので、あまり意識していない方も多いかと思います。

今まで、監査役の監査権限が会計限定なのか、業務監査も含むかについては登記事項ではなかったので、登記簿からはわかりませんでした。

ですが、株主代表訴訟をする場合に、業務監査も含む権限のある監査役がいる場合には、監査役を相手に訴訟をする必要があります。登記簿だけではわからないので、会社に定款の閲覧を求めたりして確認しますが、会社が簡単に定款の閲覧を認めないことも考えられます。こういった不都合を解消するために、監査役が会計限定監査役であることが登記事項になりました。何も記載がなければ、業務監査も行う監査役ということになります。

なお、この登記は、法律の施行後最初に監査役が就任または退任するまでは猶予されていますので、金銭的な追加負担はありません。監査役の登記の場面でなくても、その前に(取締役の登記の場面など)この「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する」旨の登記をすることはもちろん可能です。