会社の重要な会議の一つとして、定時株主総会があります。これは毎年決算期後3ヶ月以内に開催され、決算の承認が行われます。株主総会の招集通知は基本的に総会の2週間前(閉鎖会社は定款で1週間に短縮可)に発送しますが、株主の多い会社では株式の譲渡をリアルタイムで把握することが困難なため、総会の2週間前に株主を正確に把握して招集通知を発送することは事実上不可能でした。ゆえに「株主名簿の閉鎖期間」と「基準日」という、2種類の制度が設けられていました。
「株主名簿の閉鎖期間」とは、営業年度末日から定時総会終結の日まで、株主名簿の書換を停止する制度です。これにより、定時総会の招集通知は営業年度末日の株主に対して発送すればよくなります。
例えば、3月決算で定時株主総会が6月25日の会社なら、4月1日から6月25日までに行われた株式譲渡に関する株主名簿の書換は6月26日以降に行われます。
「基準日」とは、ある一定の日を定め、総会招集はその日(例えば3月31日)現在の株主に対して発送すればよいとする制度です。
上記2つは併用することもできました。
改正により、株主名簿の閉鎖制度は廃止され、基準日制度に一本化されます。
従前から定款に閉鎖期間が記載されている会社は、「名簿閉鎖期間の初日の前日を基準日に指定する旨の定款の変更決議があったものとみなされる」(株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律附則第36条第19項)ため、特に株主総会の決議を要しませんが、平成16年10月1日以降の最初の株主総会で、形式的に定款変更を行っておくのが望ましいでしょう。
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